【無痛分娩】無痛分娩と自然分娩どちらも経験して分かった3大項目(痛み、費用、メンタル)を比較します。【メリット・デメリット】

2020年8月4日

漠然と「無痛分娩ってどんなことをするのだろう?」「普通に産むのとどう違うんだろう?」と疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、2人目出産での無痛分娩の体験談をご紹介したいと思います。
また、1人目は自然分娩だったので両者の比較を交えながら進めます。
これから出産でどちらか迷っている方の参考になると幸いです。

自然分娩の分娩経過が気になる方は、【自然分娩】「教科書みたいなお産」でイメトレ!分娩経過と役立つグッズを紹介【初産】

分娩の基本的な流れは自然分娩と変わりません。
しかし無痛分娩では、注意事項や麻酔処置がプラスされます。
病院での指導内容や処置の様子を、具体的な体験談としてご紹介します。

※1人ひとり持病や体質など個人差があります。医学的なリスクなどは、担当医師に必ずご相談ください。

 (引用)無痛分娩とは

2つの代表的な方法があります。硬膜外鎮痛と、点滴からの鎮痛薬投与です。
硬膜外鎮痛では、硬膜外腔という背中の脊髄の近い場所に、局所麻酔薬という薬と、多くの場合それに医療用麻薬を加えたものを投与します(Q4「硬膜外鎮痛法とはどんな方法ですか?」をご覧ください)。 点滴からの鎮痛では静脈の中に医療用麻薬を投与し、痛みを和らげます。
硬膜外鎮痛法とは、背骨のところにある「硬膜外腔」という場所に細くて柔らかい管(直径1mmぐらい)を入れ、管から薬を注入して痛みをとる方法です。

引用:日本産科麻酔学会

無痛分娩は、麻酔を用いて陣痛の痛みを和らげる分娩法です。日本で行われている無痛分娩の多くは硬膜外麻酔という麻酔法を使用しています。硬膜外麻酔では、腰や背中に細いチューブを挿入し、そこから麻酔薬を挿入します。

引用:医療法人 慈恵病院

 自然分娩と無痛分娩の3大項目比較

私が受けたのは硬膜外麻酔による無痛分娩でした。
この体験を一人目で経験した自然分娩と比較してみます。
※専門的な医学的リスクについては、コチラ【日本産科麻酔学会HP】をご覧ください。

痛み

自然分娩と比べると、「全然痛くない!」が率直な感想でした。
叫ばざるを得ない、我慢できない痛みは全くない、快適なお産にありました。


ただ、100%痛くないわけではありません。
麻酔が効き始めるまでの時間に何度か来る陣痛には耐える必要がありました。
痛みが強くなってきて、追加の麻酔を入れて、それが効くまでの何回かの陣痛。

でも自然分娩に比べれば、「麻酔が効けば痛くなくなる!」という希望があります。
産まれるまで長く苦しまなくていい分、助かりました。


また硬膜外麻酔の処置も、背中に局所麻酔を打つので、ほぼ痛くないまま完了していました。

費用

病院にもよりますが、私が入院した病院では追加でプラス約10万円でした。


ただ、分娩の進行が長引いたり、トラブルがあったりすると、追加の費用(陣痛促進剤やその他追加の処置)がプラスでかかる場合もあるようです。
私の場合は幸い、陣痛促進剤をしようかどうしようかというギリギリのところで産まれたので、追加費用はかかりませんでした。


ちなみに、自然分娩の死ぬほどの痛みの対価としては、人生で一番いいお金の使い方をしたと思っています。

陣痛中のメンタル

これは、断然無痛分娩の方が安定していました。
自然分娩の時は、陣痛の波が来る度に「また痛くなるのか…」「一体いつ終わるんだ!」と絶望していました。
が、無痛分娩の陣痛では、一度も叫ぶ痛さにはなりませんでした。
お腹が張るのが分かるだけの感覚になっているので、全然痛くなく、常に平常心で過ごせました。


1人目自然分娩の時にも付き添ってくれていた夫は「こんな静かな陣痛時間なんて信じられない」などと言いながら、陣痛室で仮眠を取っていました。(←1人目の時なら、処刑ものです。)

 自然分娩(1人目)の陣痛トラウマ

1人目は初産ということもあり、約16時間の陣痛に耐え、分娩室に移動して1時間弱での出産でした。

助産師さんに「教科書みたいなお産だね。」と言われましたが、
「こんなに痛いのがデフォルトなんて信じられない…」
「次は絶対に無痛で産む。誰にも文句は言わせない」という強い覚悟を固めました。
出産後の入院中に、義母に対して「こんなに痛いのに2人も産むなんてすごい」みたいなことを朦朧とした意識の中、言った記憶があります。

痛みの強さ・感じ方は人それぞれですが、私にはトラウマ級の痛みでした。


詳しくは別の記事(リンク:「教科書みたいなお産」でもこんなに出産は痛い!)をご覧ください。※今後、掲載予定。

 無痛分娩のメリット・デメリット

私が実際に体験して得たメリット・デメリットです。
細かいことを言えばキリがないので、3つづつ紹介します。

・メリット
 陣痛が痛くない!
 体力が温存できる。
 陣痛の痛みに対するストレスが減る。

・デメリット
 医学的なリスクがある。
 追加の費用がかかる。
 病院の方針によるが、全く痛くないわけではない。

最大のメリットは、文字通り陣痛が痛くないこと!
個人的には、1/20の痛みで済んだと思っています。


詳しい無痛分娩の全体の流れが気になる方は、以下の体験レポートが参考になるかと思います。
(私の場合の出産例です。出産は人それぞれなので、あくまでも“参考”としてご覧ください。)

 無痛分娩の体験レポート

概要

無痛分娩(2人目)では、約8時間の陣痛に耐え、約1時間の分娩時間でした。
教科書通り、2人目なので初産の時より約半分の時間で生まれました。
そんな体験談を詳しく紹介したいと思います。

陣痛の始まり~病院に着くまで

当日午前3:00
   定期的な痛みで起きる。
   この時15~20分おきにお腹の張りと軽い痛みが来る。
   その度に何度もトイレに行く。(汚い話ですが、(大)が出る感覚。)
   段々、5~10分おきへ間隔が縮まってくる。
5:00
   旦那を起こす。まだ間隔はバラバラで痛みも軽いが、一応病院に電話。
   経産婦は10分おきぐらいになったら電話するように、病院から説明を受けていた。
   (既に上の子は義実家に預かって貰っている。)
   病院の陣痛室で準備&診察(子宮口1~3cm)
6:00
   病院に到着。10分に2~3回の陣痛だが、まだまだ呼吸法で耐えられる痛み。
   看護師さんの診察で、子宮口1cm。
8:00
   先生診察。お腹に張りが来ている時の診察だったため、激痛。
   子宮口3cm。
8:15
   10分で2~3回の陣痛だが、急激に陣痛の痛みが強くなる。
   もはや呼吸法では耐えられない。
   痛みレベルは1~10段階でレベル4ぐらい。
8:30
   無痛処置の希望を伝える。
   しかし陣痛の間隔が長いため、タイミングが少し早いかもしれないと言われる。
   (あまり早い段階で無痛処置をすると、陣痛が遠のく場合があると説明される。)
   でも痛いものは痛いので、再度お願いする。
   折衷案として、ゆっくり準備して持ってきてくれる感じになる。
   痛みはレベル6(1~10段階)。

麻酔処置をスタート(子宮口3~4cm)

9:00
   無痛処置スタート。
   かかとをお尻に付くぐらいまで足をたたむ。
   背中を丸めて足を引き付けて、背中に局所麻酔→無痛分娩用の麻酔の管を通す。
   局所麻酔だけチクッとしただけで、あとは全然痛くない。
   ただ、麻酔が効き始めるまでの20~30分はまだ陣痛に耐える。

麻酔が効いてくる(子宮口4~5cm)

9:30
   20~30分で急に効き始める。痛みはレベル6から、ほぼレベル0に。
   感動。
   背中に麻酔の管が刺さっているため、ベッドで同じ体制から動いてはいけないと
   言われる。
   しかし本格的に麻酔が効き始める前に、様子を見に来た助産師さんに
   「まだ痛いです」と言ってしまったので、差し直し処置が入る。
   また背中を丸めたりするので、臨月の妊婦には地味につらい。
   この処置中から本格的に麻酔が効き始める。
   陣痛は2~3分間隔。
   痛みは0だが、陣痛でお腹が張っているのは分かる。(子宮口4~5cm)

痛みが段々強くなると…(子宮口5~7cm)

10:30
   少しづつ張りで痛くなるが、痛さはレベル1ぐらい。
   お産が進行してきて、張りがMAXの時の痛さがレベル3~4ぐらいになってくる。
   麻酔の追加を希望。
   この時の診察で、子宮口7cm。
   体勢は少しベッドの傾斜がかかり、ほぼ座っている角度であぐら状態。

分娩室へGO(子宮口8~9cm)

11:00
   お尻に何か押されている感じになってくる。
  (赤ちゃんの頭が下りてきている。)
   張りがMAXの時に、痛みがレベル4~5ぐらい出てくる。
   子宮口8~9cm。もうすぐ産まれる予感。
11:20
   分娩室へストレッチャーで座った体勢のまま移動。
   (麻酔が効いているので、転倒防止。)
   お産が進行してきて、痛みがレベル6ぐらいになる。

分娩開始(子宮口9~10cm全開)

11:30
   背中の管を外して、分娩の体勢になる。
   麻酔追加→麻酔の点滴の管を外して、シングルショット(注射)を入れてもらう。
   強くなってきた痛みがほぼ0になる。
   お腹から足にかけての感覚がほぼないぐらいによく麻酔が効いている状態。
   でも息む力は入る、絶妙な麻酔の効き具合。

出産(子宮口10cm全開)

12:00
   子宮口全開。助産師さんに破水してもらう。
   麻酔により、陣痛の張りが来ている感覚がなくなってしまった。
   陣痛促進剤が用意され、投与するか先生の判断待ちになる。
   追加の料金がかかる!となぜか冷静になる。
   モニターに表示されている陣痛の波を確認して息む。
12:27
   誕生。

出産後+初乳の授乳

胎盤の処置や、裂けた部分の縫合などをしてもらう。
麻酔が効いていたので、裂けた瞬間も痛くなければ、縫っている時も痛くない。
結局、陣痛促進剤はぎりぎり使わずに産まれる。
赤ちゃんはからだをきれいにしてもらったり、身体測定などの処置を受ける。

出産直後の約2時間、分娩台で休む。
赤ちゃんを抱かせてもらったり、母乳を初めて吸わせたりする。
※産後、母乳育児のスタートについては、以下の記事をご覧ください。
【【完全母乳の始め方】産後4日間を解説!筆者が経験した、入院中の母乳育児が軌道に乗るまで。】

翌日の様子

麻酔の針を刺した背中と、裂けて縫合した足の間が少し痛いが、他は産後にしては元気。
1人目の自然分娩では、酷い全身筋肉痛で数日まともに動けなかった。
痛みに耐えて、叫んだり、力んだりしたので、体力が消耗し、スタミナ切れも起こしていた。
しかし、(最後息むのにレバーを握った)腕だけ少し筋肉痛なだけで、他は全然痛くない!
産後とは思えないほど快適。

 まとめ

個人的に無痛分娩にしてよかったです。
産むだけでいいなら、「あと何人でも出産できる。」と思えるほどでした。
個人的なメリットは、なんといっても痛くないので、産まれるまで体力を温存できること。
個人的には自然分娩に比べて、体力消費は1/10でした。
これの何がいいって、
・余裕を持って赤ちゃん誕生の瞬間を味わえる。
・産後、授乳が体力的に比較的辛くない。
・筋肉痛で苦しまず、日常生活に戻りやすい。

「痛みを経験してこそ~」のような言葉は、出産するのはその人ではないので、完全無視でいいと思います。
ただ医学的なリスクもあるので、必ず主治医とご相談ください。

この記事が少しでも、お役に立てれば幸いです。
では期間限定のプレママを、楽しんでください!